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やさしくしたつもりが
おせっかいに思われてたり。
わたしが思う「やさしい」は
誰かにとっては「甘っちょろい」だったり。
やさしいってなんだか意外とむずかしい。
だから、この調査ではやさしさの輪郭を
浮き彫りにしていくことを目指しました。
「やさしい好奇心」を掲げるQOから
やさしさに溢れた調査結果のお届けです。
※今回取り上げた調査結果は、必ずしも多数派の意見だけでなく、
新たな発見や気づきがあるものに関しては、少数派の意見も取り入れています。

やさしさ30

同じところもあれば、違うところもある。
いろんな「やさしい〇〇」について、調査してみました。

  • やさしい動物
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    Q. 1
    やさしい動物
    ・いつも尻尾を振って寄り添ってくれる
    ・帰ったら、一番に喜んでくれる
  • やさしい魚
    金魚
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    Q. 2
    やさしい魚
    ・眺めていると、かわいいなあという気持ちになり、長生きしてほしいと優しい気持ちになる
  • やさしい果物
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    Q. 3
    やさしい果物
    ・形状が丸っこく色もやさしいし、味も甘くてまろやか
  • やさしい野菜
    トマト
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    Q. 4
    やさしい野菜
    ・赤くて丸いから
    ・体に良いことをしている感覚になる
  • やさしい乗り物
    電車
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    Q. 5
    やさしい乗り物
    ・古い田舎のローカル線
    ・大きな荷物をもって乗ってきた人に席や角を譲る
  • やさしい文房具
    消しゴム
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    Q. 6
    やさしい文房具
    ・貸してくれたときうれしい
    ・小さくなっても使う
  • やさしい時間帯
    夕方
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    Q. 7
    やさしい時間帯
    ・落ち着く優しい気持ちになる
  • やさしい擬音
    ふわっ
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    Q. 8
    やさしい擬音
    ・何か浮いているものを表現するときに使うかも。
  • やさしい場所
    公園
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    Q. 9
    やさしい場所
    ・子供からお年寄りまで遊んでくつろげて暖かい空気感を感じる
  • やさしい都道府県
    沖縄
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    Q. 10
    やさしい都道府県
    ・大らかで基本的には皆優しそう
    ・自然が多いところ
  • やさしいメディア
    ラジオ
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    Q. 11
    やさしいメディア
    ・ほかのメディアに比べると、落ち着いてやさしい感じがします
  • やさしい曜日
    土曜日/金曜日の夜
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    Q. 12
    やさしい曜日
    ・何もしなくていいそして何にも追われていない
  • やさしい季節
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    Q. 13
    やさしい季節
    ・気温も丁度良く人出も多くなりみんながふんわり浮足立っているように思う
  • やさしい天気
    心地よい気温の春の日
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    Q. 14
    やさしい天気
    ・自然と気持ちも前向きになる
  • やさしい思い出
    幼少期
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    Q. 15
    やさしい思い出
    ・あの日に帰りたいと思えるような昔の懐かしい思い出
  • やさしいひらがな
    「ふ」
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    Q. 16
    やさしいひらがな
    ・どことなく、力が入り過ぎていない感じが好きです
  • やさしい漢字
    「優」
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    Q. 17
    やさしい漢字
    ・憂う者のそばに人が寄り添うと書く
  • やさしい植物・花
    いきいきと元気に咲き誇る花
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    Q. 18
    やさしい植物・花
    ・特定の花というよりも、、、
  • やさしい数字
    「8」
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    Q. 19
    やさしい数字
    ・無限と似たデザイン、末広がり、 丸いフォルムなどあって優しそう。
  • やさしい飲み物
    寒い日に飲む温かいココア
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    Q. 20
    やさしい飲み物
    ・ほどほどに甘く温かいもの
  • やさしいお店
    だれでも入れそうな
    雰囲気のあるお寿司屋さん
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    Q. 21
    やさしいお店
    ・少し敷居の高いお店なのに、おおらかに受け入れられる
  • やさしい贈り物
    相手の気持ちを考えたもの
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    Q. 22
    やさしい贈り物
    ・贈ればいいというわけでもなくて、、、
  • やさしい家電製品
    ロボット掃除機
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    Q. 23
    やさしい家電製品
    ・パートナーのように感じる。
  • やさしい社会の仕組み
    車椅子の乗降を助けるために
    ホームで待つ駅員さん
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    Q. 24
    やさしい社会の仕組み
    ・駅でよく見かけます。
  • やさしい道路標識
    人間味のある標識
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    Q. 25
    やさしい道路標識
    ・県によっても色々ありそう。
  • やさしい社会
    傘を傾げあって
    通り過ぎる社会
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    Q. 26
    やさしい社会
    ・雨が降っているときによく見かけます。
  • やさしい国
    日本
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    Q. 27
    やさしい国
    ・小さな国だが人間的には、思いやりあり
    ・そうありたいと思っている
  • やさしい遊び
    あやとり
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    Q. 28
    やさしい遊び
    ・勝ち負けや優劣がない遊び
    ・お年寄りも子供も遊べる遊び
  • やさしい旅行先
    温泉
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    Q. 29
    やさしい旅行先
    ・ホスピタリティに溢れ、ストレスや競争とは一切関係のない場所
  • やさしい形
    丸みがあるけれど、
    はっきりと形の決まっていない
    曖昧な形
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    Q. 30
    やさしい形
    ・言葉であらわすのが難しい

やさしさってつまり

やさしさをひとつに定義することは難しい。
だから、いろいろな人の
「やさしさとは」を集めてみました。

  • 子供の頃の思い出や何となく感じてたこと。
    いつもいいな、と思うもの。柔らかく温かい気持ちになるもの。
    思い出すと泣きそうな気持ちになるもの。
    静かだけど強いもの。触れると口角が上がるもの。

    包まれると心地の良いもの。
  • 柔らさを内包しつつ、
    自分の芯の強さを支えてくれるもの。
  • 人それぞれ違った形を持っていて、
    誰かや、何かに評価されるものではないもの。
  • 決まった形はなくあいまいなもの。
    だけど、ちょうどよさがあるもの。
    そのちょうどよさを感じ取って、
    相手の不安やもどかしさに合わせて、
    安心を作ってあげること。
  • 時には糧になり、
    時には甘えにもなりえるもの。
    時には求められ、
    時には受け取ってもらえないもの。
  • 「大好きな人のため」からはじまり、
    自然と巡り廻って、自分に返ってくるもの。
  • 自分が経験した苦しみや痛みや辛さや寂しさが、
    理解や共感という形で誰かの救いになること。
  • 決して「当たり前」ではないもの。
  • 打算や計算、時には本心ではないかもしれないけれど、
    失くしてはいけないもの。
  • 何十年たっても、いつでも思い出せるもの。
    一生忘れないもの。

やさしい思い出

ここに並ぶのは、
人生でもっともやさしくされた/できた経験たち。
ぜひ、いろいろなやさしさを摂取していってください。

  • やさしくしてくれたのは夫。夫は空気を読むのが苦手で気遣いができないタイプだが、決して人に意地悪をしたりマウントをとることがないので、この世で一番信頼している人。私は先天性の眼瞼下垂で、大人になってからはメイクで目の大きさを揃える毎日を送っていた。小さい時は目の左右差をからかわれることがあり、メイクをしていない自分の顔が嫌いで目の左右差がトラウマになっていた。最近眼瞼下垂の手術をしたが、手術をしたいと相談したい時に「自分は気にならないけど、あなたが気になるのであればやった方が良いと思う」と夫に言われた。「左右差あるもんね」と言うでもなく(言われたらやっぱり夫もそう感じていたんだ…と私の性格上落ち込む)、「気にならないからやらなくてもいいんじゃない?」と言うでもなく、私に寄り添うかのような言葉にやさしさを感じた。自費診療なので80万程。それでもそう言ってくれた夫はやさしい人だと思う。
    30代前半女性、関東地方)
  • やさしさと言うの分かりにくいものである。
    私が就職したばかりの頃、上司に高いレベルを求められ、毎日のように叱責され、徹底的に指導された。直ぐにできるはずもなく、仕事に行くのが嫌になったが負けてられないと思い必死に努力した。地獄の日々であった。月日は流れ、自分がいうのも何だが、年齢の近い上司よりも仕事ができるようになり、仕事を任されるようになった頃、同僚から「◯◯さん言ってたぞ、あの時厳しくして申し訳なかった。でも思った通りになったし、アイツなら出来ると思った」それを聞いたときに、すべての努力が報われた気がした。同時に感謝もした。ノウハウを叩き込まれ、自分なりに工夫し、成長できたのは間違いなく上司のおかげであるし、やさしさであると理解した。そう思える人間になれた私は一回り大きくなれたと思う。「本当のやさしさ」とは本人は気づかないものなのだと思う。表面上のやさしさは世の中に溢れている。しかし、その人を想い、自分を犠牲にして行動することこそがやさしさであると考える。最後に、その上司にいつか仕返しをしてやろうと思いながら毎日笑顔で出勤していることはここだけの話にしておこう。
    30代後半男性、東北地方)
  • 息子を妊娠中4週目から重症悪阻が始まり、結局産まれるまで続いた。
    加えて切迫早産の診断もおりて自宅安静の日々が続き、家事も自分のこともまったくできなかった。夫はそれに対しまったく嫌な顔をせず、仕事から帰ってきてから鼻歌をうたいながらすべての家事をこなしてくれた。貧血もあり週に数回しか入浴できず、歯磨きしてもすぐに嘔吐してしまうため体臭等も酷かったと思うが、まったく顔に出さずこれまでどおりに接してくれた。また、トイレで嘔吐した際尿もれで自分のズボンまで濡れてしまったことがあったが、その時も嫌な顔をせず濡れたズボンや下着を洗ってくれた。冗談を言って笑わせてくれた。私が体調を崩していたのは私たち夫婦の子供がお腹の中にいたからで、私もなにもできないなりに精一杯生きていたつもりだったが、過保護を通りこしていると思うくらい本当にやさしくしてくれた。想像とは正反対の辛い妊婦生活だったが、夫のおかげで安心して出産当日を迎えることができた。世の中には妻のつわり等に理解のない男性もいると聞くが、そういう人たちに私の夫を見せたいと思うほどやさしさを感じた。
    20代後半女性、東北地方)
  • 優しさとは、その人に寄り添った考えを元に、その人に適した行動を取ることと考えています。優しい言葉をかけることではなく、優しい行動を取ることでもなく、時には、ただ黙っていることや無理矢理にでも引っぱっていくことも優しさの現れと思っています。その昔、妻が失踪し、突然、父子家庭になってしまったとき、当時の職場の人たちは、様々な場面で優しく接してくれました。職場に子供たちを連れて行っても、嫌な顔もせず受け入れてくれました。飲み会などでは、「子供たちも連れて来いよ。」と言っていただき、焼き肉屋さんやお寿司屋さんにも、子供たちを留守番させることなく連れて行きました。子供たちが体調を崩せば、「早く帰って看病しろ!」と言ってくれました。子供たちの髪の毛が伸び放題だったとき、「前髪で目が隠れないようにしてあげなさい。」とも言われました。 私自身も精神的に一番辛いときに、当時の職場の方々には、大変、優しくしていただいたと思っています。 直接の恩返しは、なかなかできません。「人には、その人に合った優しさを。」と考えるようになりました。難しいことですが、できることから少しずつ。
    60才以上男性、関東地方)
  • 自分は、「人にやさしく自分に厳しく」がモットーなのですが、周囲の人からは「優しい人」と認識して頂いていて、でも時間が経つと少しずつそれが当たり前になってしまって、都合の良い扱いを受けてしまうことが多いのですが、
    友人のひとりが「優しい人は自分を犠牲にして都合よく扱われてしまう事が多いから、そんな優しい人に優しくできる人でいたい」と言ってくれたことに、1番優しさを感じました。
    20代前半男性、近畿地方)
  • 言うほどやさしくできてはいないが、何があっても相手を否定する言葉遣いだけはしないように気をつけている。
    関連したエピソードといえるか自信はないが、ある職場にいたとき、新卒さんが製品を何パレット分か全損してしまったことがあった。自分は派遣だったのでよく知らないが、先輩方によると誰しもよくやる通過儀礼らしく、事実、いろんな人が注意や慰めや励ましをするよい職場だった。まあ、嫌味を言う人もないではなかったがそれはそれでよくあること。どれだけ励まされても、いつまでもしょんぼりと煤けた背中で仕事をしている彼に、自分は「どんまい」と一言だけ声をかけてそ知らぬ顔で仕事を続けた。契約期間の終了間際、「あれは嬉しかったです」と言われた。そんなもんかね?大したこと言ってあげれなかったけど。照れくさいね。
    40代後半女性、中部地方)
  • 心のコントロールが効かず、支離滅裂な言動や攻撃性を発揮する精神疾患を持つ身内と同居しており、心無い言葉を毎日のようにぶつけられて心が擦り切れていた時に、外出先で高齢の方に道を聞かれたことがあり、場所を説明したところ、その方は「ご親切にありがとうございました」と頭を下げて去っていった。道を聞かれて答えただけのごく些細な出来事なのに、その方が立ち去るとすぐに涙がぼろぼろとこぼれ、止まらなくなった。そして、どんなにささやかなことでも誰かからお礼を言われることがこんなにもうれしく感じるものなのだと思い知った。その身内の世話で自分が体を壊しても、心配も感謝の気持ちも一切示してもらったことがない身の上としては、些細な出来事のちょっとしたお礼ですら宝物のように感じた。その出来事があってから、「自分の心に余裕のある時にしか人にやさしくできない」と思いから、「自分が弱っている時こそ人にやさしくすればいい」と考えを改めるようになった。
    40代後半女性、近畿地方)
  • 実家に帰った時のおばあちゃんのいらっしゃいという感じが一番心に残っている。幼稚園ぐらいのおばあちゃん家に行く時が、安心できる場所になっていて、つらい時に安心できる場所を無条件で与えてくれたことに優しさを感じた。やさしさの大きさは受け手の状況によって結構変わると思うので、不安や戸惑ってそうな人を見かけたら、安心としてやさしさを配るような気持ちが大事だと思うようになった。 (20代後半男性、近畿地方)
  • 子供から手紙をもらった時のことである。まだ幼稚園児であった子供から疲れているときにふと手紙をもらった。身体を気遣うことや、幼稚園が楽しいことなどが書かれていた。無垢なやさしさとはこういうものかと身に沁みて感じた。 (30代後半男性、関東地方)
  • 中学生の時、たまに会う友達に「こないだ見かけて、『〇〇(私)が好きなアニメやん!』と思ってガチャガチャ引いて出たから」と、私が好きなアニメのキャラのストラップをもらった。その子は別にそのアニメが好きなわけでもないし、私の誕生日というわけでもないのに… (10代後半女性、関西地方)
  • ロングスカートを履いてバスに乗った日、降りるときに思いっきり転んでしまい、よろよろしながらすこし離れたベンチに座りました。痛みにうつむいていたら、大丈夫ですか、と突然声をかけられ、顔を上げると、知らない女の人が絆創膏を2枚、差し出してくれていました。なんでも、私の次に降りた人らしいのですが、あまりに派手に転んだので心配してくださったらしく、わざわざ自分で持っていた絆創膏を渡そうとおいかけてくれたらしいのです。ありがとうございます、と頭を下げると、いえいえ、お大事に、と笑って、その人は帰っていきました。見ず知らずの人間が目の前で転んだからといって、こんなに優しくしてもらえるとは思わず、ベンチで絆創膏を手に泣きそうになってしまいました。もらった絆創膏のうち残った1枚は、今も財布に入れてあります。優しさのお守りみたいに思えるからです。それから、絆創膏や飴玉をいつでも持っておくようになりました。必要な誰かにあげられるように、と思って常備して、咳をしている友達に飴を渡したりしています。 (10代後半女性、東北地方)
  • 私が中学生の頃はまだLGBTQが浸透されていなかった。そんなとき仲良くしていた友人Aから突然、自身がレズビアンであり友人Bのことが好きだと言われた。AとBとは3人で仲良くしていたが、そうだとは気がつきもしなかった。お互いが納得した上で2人が付き合ったりするのは喜ばしいことだと思った。Aのカミングアウトを聞いて偏見などは生まれなかったが、身近にいなかった存在だったため勇気をだして伝えてくれたAに何と伝えたら良いのかと思った。せっかく伝えてくれたAを傷つけたくないし、安心させたかった。必死に考えて、応援しているよの一言とほかの友人とするように恋バナをした。私にとっては相手が異性だろうと同性だろうと変わらないよの気持ちを込めてのことだ。これがAに伝わったかは分からないが、Aがこの先自分をしまいこまないようにと気持ちを込めたやさしさ(思いやり)のつもりだった。 (20代後半女性、東海地方)
  • 私はSNSに自分で描いたイラストや小説を投稿しているのだが、そこに高い頻度で感想をくれる人がいる。その人は私の創作の設定やキャラクターについて私の何気ない呟きからも拾い上げて感想をくれる。その人は私と同じように創作をしていて、働いてもいるので私より忙しいと思う。それなのに細かいところまで見て丁寧に感想を伝えてくれ、高い熱量で応援してくれる。SNSで特定の誰かに長期間メッセージを送るのは体力を使うことなのに、そうやって私に時間を割いてくれることを優しいと思った。 (20代後半女性、中部地方)
  • 私は介護施設で働いていて、人の最期を看取る機会も多い。そこで出会った利用者の女性Iさんは認知症はなく、障害での入所だった。とてもやさしく遠慮がち、身体が不自由でもなんとか工夫して生活しようという気持ちのある人だった。利用者の中では若いほうで、遠慮がちな性格もあり、なかなか施設での仲間ができないようだった。病気の症状のことでほかの利用者からキツいことを言われることもあったが言い返すこともできず、酷い時は居室から出られなくなった。私はいつの間にかそんなIさんと仲良くなることができた。仕事が休みの日でも、居室から出られなくなったIさんの元に通い、一緒にお昼を食べた。まだ若くおしゃれを楽しみたいIさんの白髪を染めたりもした。そのうち人事異動やコロナの影響でなかなか会う機会がなくなったが、口実を作ってIさんに会いに行った。結局Iさんを看取ることはできなかったが、Iさんは私にとって特別な人だった。介護福祉士としては私のやり方は間違っていたのかもしれない。それでも繊細なIさんの為に行動できたことは、今思い返せば私のIさんに対する「この人にはやさしくありたい」という気持ちなのかもしれない。 (20代後半女性、東北地方)
  • 就活期にストレスから酷く肌荒れをしてしまった時期がありました。全身アトピーの症状が出ており顔面から首にかけては赤みを服で隠すことも出来ず、傍目にみても可哀想な状態だったと思います。正直立ち止まりたいほど辛かったですが、時は待ってくれず就活は佳境。経済的にも厳しい家庭だったので接客のアルバイトを辞めることも出来ず、マスクや髪型などで隠しながら続けていました。そんな日々でしたが無事に就職先が決まり、卒業を迎える頃には肌荒れも綺麗に治りました。お世話になったアルバイト先にご挨拶に行った際、オーナーから「綺麗になったねぇ。当時言わんかったけど、大分辛そうな時あったよね。言ったら余計に辛いやろうから言わんかったけど、本当に良かったねぇ。」と声をかけて下さり、気になっていたけれど肌荒れを恥じている私の気持ちを察して触れずにいてくれていたと知ったときは思わず涙が出ました。手を差し伸べられることが逆に辛さを助長するという時期もある。そのような時期に、ただ見守ってくれる優しさがあるということを身をもって実感した大切な経験でした。 (20代後半女性、四国地方)
  • 人生のドン底の時期に、寄り添ってくれた人がいる。無理矢理に話を聞き出さず、こちらが話し出すと、自分の思うままに話すと良い、取り繕う必要もない、言葉を選ぶ必要もないからそのまま話すようにとまず言われ、それからは最後まで黙って聞いてくれていた。アドバイスや下手な同情もなかった。当時は何故何も言って貰えないのだろうと思いその旨を尋ねた所、話を聞いただけで、自分が経験したわけでもないのに、相手を救おうとするなんて烏滸がましいと思うし相手に失礼だと思う、最後に決めるのは本人だからと言われた。最後まで相手の傍にいて寄り添う事が、相手の悩みや苦しみを聞いた者の責任だと思うとも言っていた。自分がその覚悟を持てる相手かどうかから始まると。人に優しくという意味合いの深さを感じた出来事だった。 (50代前半女性、中国地方)
  • 夫が難病を患ったとき、あと3ヶ月ほどの命と病院で言われたため、気が動転して鬱になり毎日泣いたり倒れたり過呼吸になったりした。支える立場なのに情けないことに寝込んだりまでしたし、家事もろくにできなくなった。夕方になると不安が大きく胸がざわついてパニックを起こした。そのことを知った遠くで1人暮らしをしている大学生の娘が、苦しくなった時はいつでも電話していいからねと言ってくれた。それに甘えて毎日心がざわざわし始めると娘に電話をかけた。あとから知ったことだが、娘も父親が亡くなるかもしれないということで、本当は1人で毎日泣いていたらしい。でも、私からの電話では気丈で優しく励ましてくれ、落ち着くまで話を聞いてくれた。自分も同じくらい悲しくて辛かったのに。何ヵ月も毎日慰めてくれたことに感謝している。それほど人に優しく出来る娘を尊敬している。 (60代前半女性、九州地方)
  • ダンスの発表会の後、知人が一人も観に来なかった私だけ花束がなかった。そのまま楽屋を出ようとしたら一番うまくて花束も複数持っていたユミコさんが、うちはネコがいたずらしてしまうからもったいないから、一つでも持って帰ってくれると助かるのと言って私に一つ持ち帰らせてくれた。今思うとネコの話は嘘だと思う。うれしかった。 (60代後半女性、関西地方)
  • こどもがなかなか子乗せ自転車に乗ってくれなかったときに、声をかけてくれて自転車にいっしょに乗せてくれ、「すごくよく分かります、この状況…他人事と思えなくて…」という言葉もうれしかった。 (40代後半女性、関西地方)
  • ここ最近の一番という意味だと、「この間やってもらったので、今日は私がやりますよ」と仕事中の会話でふと出てくるとすごく温かい気持ちになりました。
    助け合いによるやさしさを感じました (30代前半女性、関東地方)
  • かなり昔の話になりますが…
    不注意で車のバッテリー上がりを起こしてしまい困っていたところ、近くに居たタクシー運転手がブースターケーブルを取り出して助けてくれたので「本当に助かりました、煙草でも買って下さい」と500円玉を渡そうとしたところ「いいからいいから、今度他で困っているのが居たら助けてやってよ」と言われた事 (50代前半女性、中部地方)
  • 30年ぐらい前ですが、仕事帰りに夜道でコンタクトレンズを落としてしまった時、自分のことのように数人の通行人の方々が 一生懸命探してくださり、その中のお一人が見つけてくれたことです。もし、あの時コンタクトレンズが見つからなかったとしても、今でもずっと忘れられない出来事だと感じています。 (50代前半女性、関西地方)
  • 20年ほど前、自分がうつ病に苦しんでいた時期に、何事にも頑張ることができずに家でも外でも何も役に立てていない気持ちに苛まれていた時、妻が、医師からの指示で「何もさせない、何も要求しないようにして、そっと見守り続けていてください」と言われていたようで、それを何年も何も言わずにずっと実行し続けてくれて、10年ほどたったときすっかりよくなって元気に仕事も家事もできるようになったときにはじめてこのことを打ち明けてくれて、元気になってくれてよかった、と言ってくれた時、死ぬほど嬉しかった。 (50代前半男性、中部地方)
  • 「大丈夫じゃなかったら、大丈夫って言わなくていいんだよ」と言ってもらえたこと (20代後半女性、関東地方)
  • 部活に行けなくなり、どうして自分はこんなに駄目なのかと落ち込む友人と一緒に散歩をしたときのこと。図書館で勉強をしていたときに突然連絡が来て、公園までこれたら来て、と言われました。30分歩いて行くと、マジで来ると思わなかった、と言われましたが、そりゃあ行くっつったし行くでしょ、とだけ返して話を聞かせてもらうことにしました。友人は頭もよく人付き合いも上手いのですが、そのぶん周りを気にしすぎてしまうところがあるらしく、部活へ行くのが怖くなって、高校生最後の大会を休んでしまったとのこと。なんでこんな駄目なんだろ、と泣く友人に、私がその友人を好きだと感じるところをこんこんと語り続け、友人の人間性とその結果起こったその日の逃避について力の限り話しました。すこしでも友人が前を向けるように、けれど押し付けがましくならないように、と気を付けながら。気づけば友人は更に泣いていて、私こっから頑張ってみる、色々やれる気がする、と言ってくれました。優しさは、受け取ってもらえるようなものを差し出すことが大切だと思っています。受けとってもらえて、ほっとしました。 (10代後半女性、東北地方)

やさしい発見

調査をしてみて、QOメンバーが
「面白い」「ためになる」
と感じたやさしさに関する発見をまとめてみました。

  • Findings. 1
    知識はやさしさに変わる。
    自分が持っている知識は財産。人に教えるのってちょっと偉そうだけど、困っている人にとってその知識は助けになるかもしれない。自分の知識を出し惜しみせず、困っている人に教えてあげることもやさしさの一つ。
  • Findings. 2
    はじまりは大好きな人のため。そこからやさしさは広がっていく。
    まずは大好きな人にやさしくする。すると、やさしくされた人はまた別の大好きな人にやさしくする。自分も何か幸せな気持ちになり、今度は別の人にもやさしくしようと思う。そうして、やさしさは広がり、大きくなっていくものなのかもしれない。
  • Findings. 3
    やさしさは連鎖する。
    心に余裕がないときは、人にやさしくするのは難しい。でも、そんな時に限ってやさしくしてくれる人がいる。今度は自分がやさしくならなきゃと思う。そうやって変わりばんこで、世界のやさしさは、連鎖して、つながっていくのかもしれない。
  • Findings. 4
    受け取ってもらえて初めて、 やさしさは発動する。
    誰かにやさしくしても、相手がそのやさしさを感じてくれないこともある。でも、逆に、自分では当たり前のことをやっただけのつもりでも、相手がやさしさを感じることもある。相手にやさしさを感じてもらって初めて、やさしさは発動する。
  • Findings. 5
    「やさしい自分」に助けられるのは、自分自身かもしれない。
    「誰かにやさしくできた」という経験は自分の強さを教えてくれる。言葉そのものは柔らかいけれど、「やさしさ」は自分を強くし、自分自身を助けてくれるものなのかもしれない。
  • Findings. 6
    「こんなにやさしい人がいる」と気づくと、少し生きやすくなる。
    「こんなにもやさしい人がいるのか」という経験は、生きづらさを少し和らげたり、生きる勇気をもらえる。やさしさに触れることは、人生を生きやすくする。
  • Findings. 7
    人には人のやさしさを。
    いたわりの言葉をかけてほしい人もいれば、黙って話を聞いてほしい人もいる。やさしさは人によって違う。だから難しいけれど、その人にあったやさしさってなんだろうと想像力を働かせることが大事。それが、やさしさの第一歩。